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Local Distanceが出来るまで

Local Distanceが出来るまで

8月終わりの某日、ある人物から一通のDが届く

“出来ました!! #911mixtapewarに間に合わせて下さい”

いきなりこの人何言いだしたのか
宛先間違えてるのではなかろうか
戸惑いつつも私の脳裏にはあの事が思い浮かんでた



私とてお笑いはある程度好きであるし、
このフリに対して次に私が行うべき行動は容易に想像がつく

“やりましょう”

ライカ ソフトバンクのアレ
これを行えばとりあえず赤ファボは固い(※twitterの発言において5人以上に”お気に入り”をもらう様子)
「突拍子もないことを本当にやったら絶対面白い…」
しかし一つ問題がある
ラップしたこともないしレコーディング環境もないうえに、
締め切りが3日後なのである
しかもド平日…なかば諦め気味で正直無理と踏んでいた

なんとか実現するには、、、一人では無理だな
知り合いのラップ興味あるやつにDを送って相談しまくる

ZNEEDSとDKXOが話にノッた、 しかし、どう考えても二人ともド素人であるし、
一緒に何か出来るようなスケジュールも今擦りあわせれてれそうもない。
初日はトラックを聞いて、適当な歌とリリックを考えるだけで終わってしまった。

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翌日、DKXOが「明日、夜DENPUNくんの家にレコーディングさせてもらいにいく」と報告してきた
なるほど、素晴らしいトラックメーカーであるところのDENPUN氏のスタジオことdplab.にはあらゆる機材が揃っている。
さすがSQUIDSの営業部長たるDKXOであり、そのフットワークには定評がある

「すまないが、私も参加させてもらえないか」
既に白目を剥いて頭から煙を出していた私は、すがるような気持ちでお願いした。

平日でも、仕事が早く終われば、車で1.5時間掛かるdplab.にいって作業が出来るじゃないか。
気合いでラップらしきことをすれば、きっとなんとか出来るんじゃないか

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そして締め切りである3日目を向かえた。
今日出来るかな、仕事は早く終わるかな。

案の定、私の仕事は夜の23時に終わった

「いまレコーディングしてます」
「いまから行っていいのでしょうか…間に合いますか」
「幸いDENPUN氏は明日仕事休みとのこと、大丈夫だそうです」

23時に退社して1.5時間のドライブを想像して、私は半ば心が折れていた。
そして、自宅に帰り存分にご飯を頂くという暴挙に出たのであった・・・
完全にこのまま眠りたい衝動に襲われたが、
フリに対するボケ、そして協力してくれる人や今奮闘中のDKXOにメンツが立たない

「1時半くらいに着くと思いますが大丈夫でしょうか」
「こっちも全く終わらない…いまから来ても大丈夫とのこと」

ラップなんてすぐに出来るものや無いんやないか…

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私は車を運転しながらトラックを爆音で再生しながら、
予め考えていたリリックを乗せてとりあえずデカイ声でラップの真似事なんかをしながら向かっていた
思いついたフレーズ片手間にiPhoneに打ち込んだりながら、大変テンパっておった

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dplab.に到着すると、こんな時間でもウェルカムしてくれるDENPUN氏。
その後ろに、頭を抱え気味のDKXO。

zneedsさん

この日お集まりいただいたzneedsさん


そして、ニヤニヤしているZNEEDS。彼はリリックも書く暇もなかっただろうし、見学として来ていた。
時間がないばかりに参加させれなくて、すいません。
ありがとうございます zneedsさん


とりあえず録りますか、ということで、私は声を出してみる

緊張でなんだか声がつまるし、思っていた字数や小節と全然違うのであった
頭で考えててもいわゆるフローってやつは出せない…………

以前より宅録なんかをやってみたりしていたので、 自信の無い発声はダサいということを知っていた。
リリックを書き足して書き足して削って、 とにかく腹から声を出すことを心がけた。

奮闘中の仮雄さん 4小節くらい上手くいくと、「あ、この感じでやればダイジョブかも」という勢いがついて(この時すでに3時間は経っていたのだけれど!!!!)
それが良い風にDKXOにも伝わって、徐々に勢いが出てきた。

「こっからここまでは俺のバースで、こっからここまでがDKXOね」
「あ、いまのとこだけ録り直しお願いします」
「あとハモり録ります」
「じゃぁ最後にフックつくろうとおもうのだけど、ここでこうして、キミがこうして」
「ファルセット被せます」
「ここ切ってDISTANCE二回にしてからDKXOバースいきましょう」
などと、私も乗ってきたのであった。

眠気を越えたテンションや完成に近づいている嬉しさ、
明日も仕事だけど寝れないヤケクソ感

あらゆる壁にブチ当たりつつ、
もう外も明るい6:00くらいになっていた
現時点で出せる限りを出しきって、録音を終える。

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録り終えた音源をチェックする。


・・・・・・


正直、感動した


紆余曲折を経て、インストのループが一つの曲としての形になっていて
自分の声は気恥ずかしいけど、食い気味で始まるDKXOのバースもキマっていて、
試行錯誤したけど、聴いてみると、まるで全て、必然的であったかのように聴こえた

mixに収録されなくても、HIPHOPじゃなくても、ダサイと思われても、
我々は自分たちの納得のいく何かが出来たし、あとは野となれ山となれ
この唐突な試みに、TLでどんな反応があるのか楽しみであった

達成感とともに一服するSQUIDSの皆さん

達成感とともに一服するSQUIDSの皆さん

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「すいません、半日遅れましたが音源お送りします」
田中さんから「すごい良いじゃないですか!!!!!!!!」との返事。
一番初めの外部のリアクションで、ネットでプロップス集めまくってる人のお褒めの言葉。

良かったなぁ

ほんと良かった

発表のインパクトを考えて、TLには隠しつつ、毎日30ループくらい曲を聴いてたのだった

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911、JPRAP.COMのMixTapeの発表

良かった、田中さんのトラックのおかげかな、とにかく収録してもらえた

すかさずRTからの、急速な拡散、反響! その後の単独DL音源を発表しても反響!

そして田中さんの素敵なトラックのおかげもあって、多くの褒め言葉を得た

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いろんな感想、全部嬉しかったです。
一番伝えたかったところが、ちゃんと伝わったようでそれが何より嬉しいです

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そして、今回のこのアクションを通じて、
10/29 “今夜が田中面舞踏会” at Liquid Loft( @LIQUIDROOM ) にお呼ばれされてライブすることになりました。
なんかやってりゃなんかあるっぽい


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我々はいつでも面白いことを探していて、 自分の番がきたら、ノるしかない

一旦休憩する特派員仮雄さん

一旦休憩する特派員仮雄さん